2013年11月24日日曜日

パナソニックのLUMIX DMC-GMに触った


LUMIXの超小型デジタル一眼カメラのGMが11月21日に発売された。この小ささは、たぶんペン
タックスのQシリーズを抜いて、レンズ交換式カメラとして世界最小だろう。

パナソニックは、ミラーレス一眼の創設メーカーとして、GFシリーズで小型化を追求していた。
ところが、ソニーがAPS-Cセンサーで小型化を追求したNEXシールズを出したり、ペンタックスが
小型センサーを搭載した超小型一眼Qシーリーズを発売したので、すっかり小型化のお株を奪わ
れてきた。

ここのところ逆にGF6は少し大きくなり、GH3も操作性向上のために大きくしてきた。パナソニック
は、小さいカメラの開発を止める方針に転換したのだろうと思っていた。

ところが、この超小型一眼のGMを発表し、発売してきた。これには内心かなり驚いた。マイクロ
4/3センサーでの小型化はもう限界であり、白旗を上げたのだと思っていたからである。それが、
秘かに小型化の技術を探り、そしてGMへと結実させてきたのだ。おおいに拍手喝采である。
GMの開発にあたった技術者たちに拍手を送りたい。


「GMのレンズセット(幅98.5mmしかない)」
 


さて、前置きはこれくらいにして、GMに触った第一印象を書こう。触ったのはいつものように家電
量販店。触った!と言ってもデザインやスタイルは早くからモックが展示してあったので、実機を
見ても驚くことはなかった。あたりまえだが、実機の方が高級感がある。

初めて見る人はオモチャだと思うかもしれない。しかし、造りは良く出来ている。小さいゆえに
グリップが気になるが、別売の金属グリップが無くても、右手で上手く持てる。前面の仕上げがレ
ザーなので、滑ることもなく持ちやすい。

各種のスイッチ、ダイヤル類もまずまずしっかりしている。電源ON、OFFスイッチがニコン機のよ
うにシャッターボタンの外周に配されていて、ちょっと残念なのだが、スペース効率を考えるとや
むを得ない。操作して見て動かしやすかったので、納得した。

搭載しているセンサーは、GX7に搭載されているパナソニックが開発した最新のものだ。評判
のいいセンサーである。超小型でも写りに手抜きはない。嬉しい限りだ。

機能的には、GX7と同じで、今パナソニックが持っている技術が全て入っている。サイレントモード
やコマ撮りアニメ、クリエイティブコントロールなど挙げることができないほどテンコ盛りだ。動画
もフルハイビジョンで撮れる。

GMに触っていると、どんどん欲しい気分が高まってくる。これで街撮りしたい、これでスナップし
たいなど気分が高まってくる。そんな中でちょとだけ気になった点、改善して欲しい点を書いてお
きたい。

各種のスイッチ、ダイアル類は良く出来ているのだが、高さを抑えるために若干操作性が犠牲に
なっていると思う。それがモードダイヤルの薄さである。もう少し厚みがある方が扱い安いと思う。
それから上面に付いている、フォーカスモードの切替えスイッチもそう感じた。

あと、内蔵フラッシュの納まりがイマイチである。平らにおさまらず、若干正面右が浮いている
のだ。もう少しツライチになるよう工夫が欲しいと思う。

欲を言えば、裏面や側面なども徹底してレザー仕上げにできなかったかと思う。小さいのに徹底
して高級な造り込みをする。そんなカメラでもよかったと思う。いずれライカ版が出ると言われてい
るが安くてもそれに負けない仕上げにして欲しかった。

それにしても、よくこんなに小型化できたものだ。カメラ史に名を残す機種になると思う。1月をめ
どに購入を予定(もっと早くなるかも^^;)しているので、試し撮りが終われば、写りや操作の報告
などをこのブログで詳しくしたいと思う。


「朝焼けの浪漫鉄橋」

「デジカメ生活を見る」

2013年11月22日金曜日

ソニー、「α7R」と「α7」に触った


11月15日に発売されたソニーのフルサイズミラーレス「α7R」と「α7」に触った。場所は、いつも
のように家電量販店である。触った第一印象を簡単にまとめてみた。

初めの印象は、思っていたより「小さい」である。触ってみるとミラーレスだからこんなものかと
思ったが、フルサイズであることを考えると実に小さい。ソニーの小型化する技術の優秀さを感
じた。




「レンズを装着したα7」


また、重さも予想よりかなり軽く感じる。フルサイズのイメージから重いだろうと思わせるのだが、
実際はかなり軽い。一眼のフルサイズと言うイメージからするととても軽い。デザインは、巷間で
はあまりよくない。特に長年カメラを使ってきたプロの受けがよくないようだ。ただ、私は悪くない
し理解できるデザインだと思う。全体のデザインはアリだと思った。

デザインで細部を見ると、もうちょっとなんとしてよと思うところもある。グリップ部分の仕上げは
レザー調なのだが他の部分が塗装仕上げである。これがそれほど高級感を感じないのだ。
レザー張りの部分を増やすと高級感が増すと思う。ただし、そうすると上位機の一眼レフに似て
くるので、ソニーはそれをあえて避けたのだろう。一眼レフとミラーレスの両方を製造するメーカー
の苦しさと言えようか。

いつも触って一番気になるのはグリップ。α7Rとα7のグリップは、いわゆる鷲づかみタイプではな
く、中指と薬指を斜めにかけるタイプなのだが、指の納まりがよく握りやすかった。鷲づかみタイプ
ではないので、大きな望遠レンズの装着には適さない。と言っても、この2機種の用途は、まち撮
りスナップだろうから、問題ない。スナップ機のグリップとしてはよく出来ていると思う。

触った第一印象の最後に、これで良いの?と思うものがあったので書いておきたい。それはシャ
ッターだ。以前からソニーのフルサイズのシャッター音は好きではないが、この2機種もまた嫌い
な音だった。変に濁った音で、一番まずいと思うのは、シャッターを切った最後にボディが振動す
ることだ。

ボディーが辺に揺れる。「ドシャーと音の後にブルブルと手に振動が伝わってくる。何度やっても
同じで、個人的には全く不快であった。以前キヤノンのEOS 40Dのシャッターも振動があると言
うので、問題になったことがあったが、個人的にはそれどころではないと思った。

このことについて気になったので、価格COMの掲示板を見てみた。そうすると、シャッター音が
よくないという意見と同時に、非常によいとする意見もあった。皆がみんな、悪いと思っているわ
けではなさそうだった。

まあ、私が触ったのは量販店の展示機なので、決めつけはできない。それぞれ感じ方は様々な
ので、関心のある方は自分の手で確かめてほしい。決めつけるつもりはない。

いずれにせよ、α7Rとα7は、フルサイズミラーレスの歴史の扉を開いたカメラである。カメラ史に
名前を残すことは間違いない。これからの売行きを含め、ユザーの意見などを注視しながら見
ていきたいと思う。


「庭園観賞」
 

「デジカメ生活を見る」

2013年11月7日木曜日

ニコン、フルサイズ一眼レフDfを発表


ニコンが11月5日、デジタル一眼レフ「Df」を発表した。Dfは、35mmフルサイズセンサーを搭載
した新しい機種で、11月28日から発売するという。

実はこの発表の前から、HP上にティーザ―動画を流し、Df発表の予告をしていたので、特段驚く
事はなかったが、そのデザインには驚いてしまった。


ニコン Df 正面」


ティーザー動画から、流行りのレトロ調であることはわかっていたものの、ここまでレトロで
くるのか、ここまでやるのかと言う感想を持った。レトロと言えば、オリンパスがODM-EM5で
大成功し、最近発売されたEM1へと続いている。


「ニコン Df 背面」
 


このDfの画像を見た時、EM5やEM1がすぐ頭に浮かんだ。ニコンには失礼だがモノマネか?とう
がった見方をしてしまった。ただ、発表会の記事では2009年ころから開発を始めていたというの
でそれを信じるしかないのだが。

Dfの主なスペックは以下のとおり。

〇マウント:ニコンFマウント(AFカップリング、AF接点付)
〇有効画素数:1625万画素
〇撮像素子:36.0×23.9mmサイズCMOSセンサー(D4と同じ素子)
〇連続撮影速度:CL約1~5コマ/秒、CH約5.5コマ/秒
〇ISO感度:ISO 100~12800(1/3ステップ)
〇ファインダー視野率:上下左右とも約100%(FX)
〇シャッター最高速度:1/4000
〇液晶モニター:3.2型低温ポリシリコンTFT液晶モニター、約92万ドット
〇寸法(W×H×D):約143.5×110×66.5mm
〇重量:約765g(バッテリーおよびSDメモリーカードを含む、ボディーキャップを除く)

この中で気になるのは、シャッターの最高速度が1/4,000秒なことである。ほぼ同じ大きさで
小型軽量を追求したキヤノンEos6Dも1/4,000秒なので、小型化の影響により1/8,000秒のシャ
ッターユニットを搭載できなかったのだろうと思う。しかし、そこを技術で乗り越えてこそ価
値があるのだが、安易な妥協をしているように見える。

一方、ファインダー視野率は、ほぼ100%なので、この点は大いに評価される。ちなみにEos6D
は、97%であり、フルサイズを持つ喜びに水を差している。ニコンはこの点は抜かりない。

一眼レフに動画機能を始めに付けたのは、ニコンだった。しかし、このDfには動画機能は搭載
されない。思い切った割切りである。確かに、このデザインで動画を撮ることは似合わないだ
ろう。静止画専用と言うのも潔い仕様である。

さて、このDfの評判はどうだろうか?と価格COMの掲示板を覗くと、賛否両論である。インパク
トのあるデザインだが、好き嫌いがはっきりしているようだ。個人的には、レトロ調は歓迎する
ものの、写真で見る限りちょっと厳つくてグロテスクだ。特に正面デザインはやり過ぎではないか
と思う。(実機に触ると印象が変わるかもしれない)

キヤノンのフルサイズとマイクロ4/3を愛用しているので、ニコン機に手を出す余裕などないが、
売行きには注視したい。売行き次第では、今後のカメラデザインに影響しそうだ。


「パンパスグラス(ラフモノクロームで撮影)」
 


「デジカメ生活を見る」