2014年11月27日木曜日

FUJIFILM X100Tに触った


11月20日、富士フイルムのX100Tが発売された。X100Tは、X100シリーズの3代目にあたる。初代のX100は、2011年3月5日に発売され、2013年2月23日には、2代目のX100Sが発売されている。代々のデザインはほとんど変わらず、かつてのレンジファインダー機を彷彿とさせるクラシックな風貌をしている。もちろん、機能、操作性は順調に代を重ね、進化が図られている。

【X100T 正面】
【X100T 背面】

X100Tは、現在のカメラの分類上では、コンデジ(コンパクトカメラ)になる。しかし、レンズ交換ができないのでコンデジになるものの撮影素子は、APS-Cサイズを積んでおり、通常のコンデジとは画質が大きく異なるのだ。

基本スペックを書き出すと以下のとおり。

〇撮影素子:X-Trans CMOS II
〇撮影素子画素数:有効1,630万画素、23.6mm×15.6mm(APS-Cサイズ)
〇ローパスフィルター:なし
〇ISO感度:200~6400(1/3段ステップ)、拡張でISO100/12800/25600
〇レンズ:単焦点23mm(35mm換算約35mm)、F2.0
〇撮影可能範囲:約50cm~∞、マクロで約10cm~2.0m
〇露出補正:-3.0EV~+3.0EV、1/3EVステップ
〇メカニカルシャッターSS:4秒~1/4000秒(Pモード時)、絞り制限ありF2で1/1000秒まで
〇電子シャッター:1秒~1/32000秒(P / A / S / M 全モード)
〇連写:6コマ/秒
〇液晶モニター:3インチ、104万ドット
〇ファインダー:光学式/電子式
〇Wi-Fi:有
〇幅x高さx奥行き:126.5x74.4x52.4 mm
〇重量:本体:400g 総重量:440g(バッテリーとSDカード含む)

X100Tは、四角形をしているので、一見するとボディが大きく見える。特にシルバーモデルは、膨張して大きく見える。実は、代々の機種を見る度に、大き過ぎると思ってきた。ところが、今回じっくり手に取り、ファインダーに眼を近づけ、撮影スタイルで構えると、あまり大きく感じなくなったのである。ちょと拍子抜けするほどであった。

そこで、愛用のLUMIX GX7と大きさを比較してみた。GX7は、122.6x70.7x54.6 mmであり、X100Tはこれより数ミリだけ幅と高さが大きいだけなのである。これには驚いてしまった。大きいと思ってきたことが完全に崩れ、良い大きさに思えてきたのだ。

【X100T 上面】

X100Tになって、かなりの所が改良され進化している。特にファインダーは、アドバンスト・ハイブリッドビューファインダーと呼ばれ、光学ファインダーとEVFの切り替えができるのはもちろん、光学ファインダーの時、右下にピント位置がEVFで表示できるのだ。マニュアル時には、その部分を拡大表示させ、ピントを合わせやすくしているのである。なかなか面白いアイデアである。いわば、光学と電子の融合である。

いろいろ試した中で、使えると思ったのは、マニュアル露出撮影(Mモード)の時、ISOオートの設定で露出補正がダイヤルでできることである。これは、愛用している5DmⅢでもGH4でも出来ない。これができればいいのにと思っていた機能なので驚いてしまった。これは、最先端の操作性であり、かなり難しいプログラムの上に成り立っているだろうと推測される。

この露出補正は、量販店の展示機で操作して試しただけなので、どれ程実用性が高いか未知数である。しかし、絞りとSSを決め、更に露出補正が可能なら、使い方次第で、万能なモードになると思う。ひょとすると他社カメラにも広まる可能性がある。

X100Tは、クラシックなデザインと操作性、そして単焦点レンズであることから、鈍足で不器用そうなイメージがつきまとう。ところが、富士フイルムの最先端のテクノロジーが詰まっているのだ。手に取って触りながら、機能の素晴らしさにつくづくそう実感した。

今年のフォトキナ前後に、各社から沢山のカメラが発売された。このブログで取り上げたLUMIXLX100は、案の定人気機種になっている。またファインダーを搭載したGM5も徐々にGM1と代交代しつつ人気がでることだろう。

私もかなり気になっている2機種であるが、今私の心の中には、このX100Tが住もうとしている。X100Tはかなり趣味性が強い、いわばオタクカメラである。それでも、X100Tにカッコいい革のボディケースとストラップを付け、肩に掛けながら、銀座や新宿あたりの街撮りをする妄想が浮かぶのである。果たして妄想で終わるのかどうか^^;


『ある日の多摩川べり(by:GX7)』


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