2016年10月31日月曜日

フォトキナ2016で続々と新製品が発表 Ⅲ


3回目の最後をアップ。予定では、ソニーとペンタックスであったが、ペンタックスはあまり取り出して述べる事柄がないので、ソニーのみとした。他に、シグマやタムロン等もあったものの、時間の都合で省略した。


〇ソニー

ソニーは、一眼で2つのマウントを展開している。いわゆる、コニカミノルタの一眼レフから引き継いだAマウントと、ソニーが独自に開発したミラーレス専用のEマウントだ。ここのところEマウントに注力していたので、Aマウントのユーザーは、もうAマウント機は中止され、発売されないのではないかと、疑心暗鬼になっていた。特にAマウントのフラッグシップ機α99の後継機が発売されないことに苛立ていた。

ところが、フォトキナの前日、9月19日にAマウント機のフラッグシップ機「α99 II」を発表したのである。これには、多くのAマウントファンが喜んだ。

『α99Ⅱ正面』

『α99Ⅱ背面』




そもそも、Aマウント機は、廃止されるのではないかと思わせたのは、Eマウントに対して、Aマウントの独自性がハッキリ見えないからである。コニカミノルタからソニーが引き継いで作ったAマウント機は、純粋な意味での一眼レフ機ではないので、知れば知るほど、Aマウントの必然性があまり見えてこないのである。

Aマウント機は、トランスルーセントミラーテクノロジーというソニー独自の機構で作られている。具体的には、トランスルーセントミラーと言う透過式の固定式ミラーを使って、撮影素子と同時に位相差検出AFセンサーに光を当てるシステムなのである。よってファインダーは、光学ファインダーではなく、Eマウントと同じく撮影素子からの映像を見るEVFなのだ。

ただ、ソニーによれば、固定式のトランスルーセントミラーは、連写に優れているのだという。優従来型の一眼レフは、撮影の度にミラーを動かすので、連写が影響を受け、遅くなるが、ミラーを固定しているトランスルーセントミラーテクノロジーは、常に光を受け続けているのでロスがなく早いのだという。

確かに、従来型の一眼レフは、複雑な構造と耐久性が求められ、当然製造コストも高くなる。それに比べれば、トランスルーセントミラーは、比較的構造も簡単で、安く生産できるだろう。しかし、個人的には、一眼レフとの違いは理解できても、依然としてミラーレスのEマウントとの相違や優位性はあまりはっきりと見えてこない。せいぜい、専用の位相差検出AFセンサーが使えることなのではないだろうか。

『α99Ⅱ斜め正面』


さて、あまり些細な部分で私見を述べても仕方がないので、「α99 II」のスペックを紹介しておこう。

センサーは、35mmフルサイズの4,240万画素。連写はAF/AE追随で12コマ/秒である。流石はトランスルーセントミラーテクノロジーと言える。79点の位相差AFセンサーと、399点の像面位相差AFセンサーを搭載しているという。

また、センサーシフト式の5軸手ブレ補正も搭載し、静止画と動画で使えるという。4.5段分の補正効果があるらしい。当然、4K動画にも対応しているいう。

α99 IIは、11月25日に発売予定だったのだが、残念なことに最近のニュースでは、予約が多くて生産が追いつかず、遅れる可能性があるという。Aマウント機ユーザーは、これまで待ちに待ったのだから、少しくらい伸びても平気だと思うかもしれないが、こういう延期は、意外に辛いものである。カメラファンとして、ソニーには、生産体制を強化し生産力のアップをして欲しいと、思うばかりである。


2016年10月13日木曜日

フォトキナ2016で続々と新製品が発表 Ⅱ


2回目をアップ。今回は、富士フイルムとオリンパスである。気になるところから書いている。合計で3回になる予定である。


〇富士フイルム
富士フイルムは、かつてニコンからFマウントボディの供給を受けて、小規模ながら一眼レフを作っていた。ところが、ミラーレスで独自のXマウントを展開し始めてから、一気にブレークしつつある。

元々レンズ作りは、フジノンレンズとして定評があったので、一気にXマウントのレンズを供給し、ユーザーの心を掴んでいる。また、フイルムメーカーらしく、独自の発色やノイズ処理に長けていて、ミラーレス市場に食い込みつつある。

今回のフォトキナでは、何と中判ミラレースカメラ「FUJIFILM GFX 50S」の開発を発表した。2017年初期の発売を目指しているという。富士フイルムは、以前からフイルムの中判カメラ(レンズ固定)を作っているので、違和感はないのだが、ニュースを聞いた時には驚いた。

『GFX 50S 正面』


『GFX 50S 背面』



何しろ中判カメラと言えば、キヤノンもニコンも手を出していない領域であり、需要について疑問を持ったからである。日本での中判といえば、ペンタックスが2014年の6月に発売したPENTAX 645Z等があるが、シェアを拡大しているとは思えない。

GFX 50Sのセンサーサイズは、43.8×32.9mmだというので、645Zのセンサーとほぼ同じだが、ミラーレスなので、一眼レフの645Z(1470g)よりは、かなり小型、軽量化されていて、ここにアドバンテージがあるのだろう。富士フイルムも、競争相手は35mmの一眼レフ機だと言っているので興味深い。果たして、キヤノンやニコンの一眼レフのシェアに食い込めるのかどうか、大いに気になるところだ。

現在の富士フイルムの主力は、APS-Cサイズのミラーレス機である。X-ProとX-Tシリーズを展開していて、両シリーズともレトロなデザインでユーザーを獲得している。

『X-T2正面』

『X-T2背面』



9月8日には、X-T1の後継機であるX-T2を発売した。X-T1の弱点だった連写能力を高め、動体撮影にも対応しているという。X-T2には、縦位置グリップも用意されているが、個人的にはグリップが小さい事が残念である。

スナップ用途だけのカメラなら、グリップが小さくてよいのだが、動体や野鳥撮りをするには、グリップは大きい方がよい。それに、XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRの超望遠レンズもラインアップされているのだから、もう少ししっかり握れる大きいグリップの方がよかったのではないかと思う。


〇オリンパス
オリンパスは、E-M1後継機である E-M1 Mark Ⅱをフォトキナ前日のイベントで開発発表した。中でも高速連写に力が注がれ、AF追従のフル画素RAWで18コマ/秒(メカシャッターでは10コマ/秒)、AF固定のフル画素RAWで60コマ/秒(メカシャッターでは15コマ/秒)の撮影を実現しているという。動画では、4K30Pに対応している。

『EM1mⅡ 正面』

『EM1mⅡ 上面』



動体を高速連写するには、センサーの読み出しが早くても、EVFのフレームレートが高くないと意味がないのだが、この辺もしっかり開発されていて120fpsだという。大いに期待の持てるスペックになっていて、オリンパスファンは、大いに期待していることだろう。

また、2本のPROレンズの開発も発表された。「M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO」と「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4 IS PRO」であり、11月下旬に発売される予定だ。

個人的には、12-100mm F4 が広範囲をカバーできるので興味が沸く。PROの名が付くので、単なる便利レンズではないと思うが、描写力はどうなのだろうか。発売されたら、レビュー等を見てみたい。

次回、3回目は、ソニーとペンタックスを書く予定。


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